GW、季節を愉しむドライブ
志賀草津高原ルートの開通が4月25日にあることを知ったのはGW間近のこと。28日は水上旅行の予定だが、車はスタッドレスタイヤもまだ履いていることもあって、どうしても雪の回廊をドライブしたくなり、その前日27日に志賀に宿泊し、渋峠を越えて長野から群馬に入る計画を立てた。
27日、我が家としては珍しく朝食も取らずに6時半に出発した。関越の川越近辺で事故があり、渋滞を抜けるのに2時間ほどかかったが、その後は順調な走行で昼前には小布施PAに到着した。スマートICから高速を出て「道の駅 オアシスおぶせ」に入り、計画通りに休憩を兼ねてミントを散歩させた。桜や桃の花だろうかピンクに染まった畑が広がっていて春を感じる光景だ。信州リンゴもたくさん売っていて、朝ジュースの材料に安いふじとジョナゴールドを1袋ずつ買い求めた。
昼飯の下調べでチェックしておいた蕎麦処 「せきざわ」に立ち寄るため小布施で高速を降りたが、想定外の事故渋滞に巻き込まれたので時刻は既に1時近くになっていた。混んでいたらあきらめるつもりで店に行くと、ラッキーなことに駐車場1台分が丁度空いたところだった。店内に入ると番号札を渡されて、待つこと約15分でカウンター席に着くことができた。
注文は妻が茜三味(生粉(きこう)打ち、粗挽き、鴨南)とむらくも(蕎麦粉入り栗羊羹)で、私が温かけ三味(粗挽き、さらしな、かけ)である。
コース料理のように食べ終わったころにタイミング良く次の蕎麦が出てくる。暖か味を感じる木の家と家具、こだわりを感じる食器の効果もあってか、蕎麦屋にいながら時間がゆっくりと流れる。特に気にいった蕎麦が「かけ」で、つゆが素晴らしく美味しく、また途中で梅干を入れることで味がしまり、違った美味しさを2度楽しめるというのがよかった。
デザートのむらくもは和菓子だが、「途中でブランデーを垂らすことで洋風テイストになって一味違う楽しみかたができた」と助手席担当の妻が嬉しそうに言っていた。
蕎麦処 「せきざわ」
http://tabelog.com/nagano/A2001/A200106/20000282/
前日は15時から降雪のため志賀草津高原ルートが一時通行止めとなった情報を得ていたため、志賀の山道に入る前に「道の駅 北信州やまのうち」に立ち寄ると、渋峠先のルートが通行止めの立て看板が…「え、そんな馬鹿な!」。超落ち込む。でも、天候も回復しているようだし明日は大丈夫だろうと気を取り直して、一路山道を登ってホテルへ向かった。
志賀サンバレーにある「志賀の湯ホテル」だ。
チェクインを済ませると、お茶を用意しましたからと声を掛けられダイニングに行ってみると、そこにはコーヒー牛乳&みたらし団子が並んでいた。正直、日本茶と野沢菜を期待していたのだが、運転の疲れもあるのかダブルの甘いものがすんなり喉を通っていった。
午前中まで雪が降っていたというホテルのおばさんの話の通り、シーズンが終わったゲレンデには新雪が積もっていて、ミントを散歩に連れ回したが冷たい雪が苦手なのか元気に歩いてくれない。
宿泊客は4組ほどしかいない中での夕食は豚しゃぶ料理で美味しくいただけたが、量が盛りだくさんでご飯までたどり着けなかった。
ホテルは古そうだが、改装やいきとどいた清掃で温泉風呂も気持ち良く使える。少ない客のおかげでもちろん貸し切りだ。
野生の猿が出没するようで、なぜか金庫の扉に注意書きが書いてあり、それがなんだかおかしい。
翌朝、ルートの走行を電話で確認したら当面通行止めが続くということだ。でもここまで来たからには渋峠まで登ってみるかということで、ホテルを出発して標高2000メートルの地へ向かった。この山道で一緒に360°スピンを体験している妻が「安全運転!」と繰り返し言っていた。若いころのホームゲレンデだった横手山スキー場を横目に見ながら渋峠ホテル(群馬県と長野県の県境に建物が立っている!)まで上ったが、やはりここでゲートは閉まっていた。
駐車場の吹き溜まりには、5メートル近く積もっていた雪の壁が壮観だ。先に進めず気持ちが落ち込む一方、強い風と冷たい雪に不思議とテンションが上がった。
峠が越えられず次の宿泊地水上にどうやっていくか迷ったが、石打に出てそこから南下するルートにした。
志賀高原から下って飯山市に入り千曲川の土手沿いを走りだすと、右手に菜の花が左手遠くに残雪のある山が続くなんとも気持ちのいいドライブとなった。
「道の駅 花の駅 千曲川」に寄り、渋峠では外に出られなかったミントの散歩と昼食を済ませることにした。地元の木を作って作られた施設はおしゃれで、カフェの食事も都会と変わらない内容だった。「里わカレー」はスパイスが効いていて、野菜も多く美味しかった。
道の駅 花の駅 千曲川
飯山市から十日町辺りまで通じる道路は信号もなく、千曲川に沿って気持ちのいいルートだ。
関越道に入ると目の前に谷川岳方面の山々がそびえ立ち、青い空とまだ雪が残る白い山のコントラストが綺麗で清々しく、心も晴れ晴れしてくる。
水上に着くとチェックインまでまだ時間があるので、インター近くのノルンスキー場の「すいせんまつり」に寄ることにした。入場券は片道のリフト代が含まれていたので妻はリフト、私はミントと散歩しながらゲレンデ頂上まで登った。水仙の花はまだ満開とはいかないが、春を感じる風とともに気持ちがいい。
水上の宿は、妻が数か月前に探し当てたNTT保養所の「紫明館」。(名称がかなり気にいった。)一般の人も使える施設で、ペット同伴可の部屋があるが、定員は2名だったため娘が留守のいま予約を入れた。
2年くらい前にリニューアルオープンした館内は、木の家具にそれに合う調度品、料理の器まで統一されたコンセプトが感じられ、「お金あるなー」と思わずにはいられない。
夕食は懐石料理風だが、盛り付けや器によって洋風にも感じる。ワインも合う。個室でペットも同伴OKだったが、ゆっくり味わうためにミントは部屋で留守番だ。おしゃれな料理を広い個室でいただく、保養所とは思えない贅沢な時間だった。
お待ちかねのお風呂。内湯と露天があり広さは大きくはないが、客室が14部屋しかない上、夜通しの翌朝9時まで入れるから貸し切りになる可能性もある。夜の風呂は残念なことにひとり入浴とはいかなかったが、朝風呂は一人でゆったりと入ることができた。妻は寝ぼけていたのか朝の4時から風呂にいき満喫した様子だった。
朝食は和食を選択。昨夜と同じく個室利用が嬉しかった。素敵なプレートに並べられたおかずは干物さえもおしゃれに感じた。デザートとコーヒー(妻は紅茶)も付き満足いく時間が過ごせた。
施設には真新しいドッグランがあり、ペット用のアメニティも充分に揃っている。犬連れには嬉しい宿だった。
風木立の川辺 紫明館(旧:紫明荘) | NTT健康保険組合 保養所・会館
http://www.hoyojo.nttkikinkenpo.or.jp/shimeisou/
帰路に着く前にお決まりの寄り道、「道の駅 水紀行館」に立ち寄った。道の駅のそばには利根川が流れ、清流公園と諏訪峡遊歩道があった。遊歩道の橋からは、上流に残雪のある谷川岳が望め、下流に諏訪峡大橋のバンジージャンプやラフティングが眺められた。
青い空に雪が残る白い山、桜や水仙の春の色は心癒される景色だった。売店の産直野菜は少なく、帰りにジュースの材料を買い込もうと思っていただけにちょっと残念だったが、好きなワサビの葉が置いてあり、大量の山椒の葉とともに購入した。
帰りの関越はそれなりに多くの車が走っていたが、渋滞もなくスムーズに帰宅できた。行きの車中では「どこ行くの?まだ着かないの。」と喋りながら?ずっと外を眺めていたミントも、帰りは旅行の楽しかった場面を夢見みていたのかぐっすりと寝ていた。本当に人間の子どもと同じだ。